大判例

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大阪高等裁判所 昭和58年(ラ)306号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

一件記録によれば、抗告人は自営業を営んでいた者で、昭和五七年九月当時六三名の債権者に対し合計二二二九万九五五〇円の債務を有し、支払不能の状態となったことから、同月二九日午前一〇時破産宣告と同時に破産廃止の決定を受けたのであるが、同年六月二一日いわゆるサラリーマン金融業者である株式会社レジャーパートナーから金融を受けるに際し、自営業であるのに顧客カードに自らサラリーマンである旨虚偽の記入をした上で金員を借り受けていること(現残債務は八万円)が認められ、本件免責申立てに対する唯一の異議申立人である右会社は、右事実の存在を異議事由としている。

しかし、右事実のみでは破産法三六六条ノ九の二号に該当する事実があるとは認められない。

もつとも、右異議申立会社の提出した異議申立書には「抗告人からの借入れ申込みの際残債務は約一五〇万円のみと聞いていた」との記載がある。しかし、その裏付けとなる資料はないし、仮にその事実があつたとしても、前記顧客カードには給料手取欄があるだけで資産を記入する欄はなく、右会社が抗告人の資産、勤務先の確認、その他抗告人の信用に関する事項の調査をしたことを認めうる資料はない。してみると、右会社は、一五〇万円とはいえ、多額の債務を負担していることは承知の上で、信用調査もせず、担保の提供も受けないまま抗告人に金銭を貸与したものであるから、支払能力の点につき錯誤があつたとすることには疑問がないわけではなく、また錯誤があつたとしてもそれについては右会社にも過失があつたものと認めざるをえない。

ほかに、破産法三六六条ノ九所定の免責不許可事由に該当する事実を認めるに足る資料はない。してみると、抗告人の免責は許可すべきものというほかない。

(荻田健治郎 堀口武彦 渡邊雅文)

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